💹 テクニカル分析(21〜40)
No.34 トレンドの勢いと強さを測る指標:ADX・ATR (★★★ 中級〜上級)
皆さん、こんにちは! 株の勉強ブログ、第34回です。
これまで、移動平均線やオシレーター(RSI、MACDなど)を使って、「トレンドの方向」や「相場の過熱感」を測ってきました。今回は、「今、明確なトレンドがあるのか?」、そして「そのトレンドはどのくらい強いのか?」を客観的に判断するための指標を学びます。
今回のテーマは、「トレンドの強さ」と「変動の大きさ(ボラティリティ)」を測る指標、「ADX(平均方向性指数)」と「ATR(平均真のレンジ)」です。これらは、トレンド相場とレンジ相場を区別し、戦略の精度を高めるのに役立ちます。
💡 1.ADX(平均方向性指数)とは?
ADX(Average Directional Index)は、「トレンドの有無と強さ」を測ることを目的に開発された指標です。
- 役割: 株価の「方向」ではなく、「トレンドがどれだけ強いか(勢い)」を0から100の数値で示します。
- 構成要素: チャートには、ADX線(トレンドの強さ)、+DI(プラス方向性指数)、-DI(マイナス方向性指数)の3本の線が表示されます。
🏢 ADXが示すトレンドの強さの目安
ADX線は、数値が高いほどトレンドが強い(勢いがある)と判断します。
| ADXの数値(目安) | 示す相場の状況 | 取るべき戦略(目安) |
| 0〜20 | トレンドなし(レンジ相場) | 逆張り(RSI、ボリンジャーバンドなど)が有効。 |
| 20〜40 | トレンド発生・持続 | 順張り(移動平均線のクロス、ブレイクアウトなど)が有効。 |
| 40〜60 | 強いトレンド | トレンドに乗り続ける。ただし、過熱感に注意(RSI等で確認)。 |
✅ ここがポイント!
ADXは「トレンドの勢い」のみを示します。ADXが上がっているからといって、株価が上がっているとは限りません。それが「上昇」トレンドなのか「下降」トレンドなのかは、次に説明する+DIと-DIの関係で判断します。
2. +DIと-DIの関係でトレンドの方向を判断する
ADX線が「強さ」を示すのに対し、+DIと-DIは「方向」を示します。この2本の線の位置関係が、どちらの勢力(買い方か売り方か)が優勢であるかを教えてくれます。
| +DIと-DIの関係 | 示すトレンドの方向 |
| +DIが-DIより上にある | 上昇トレンドが優勢である(買いの勢いが強い)。 |
| -DIが+DIより上にある | 下降トレンドが優勢である(売りの勢いが強い)。 |
例えば、「ADXが30以上(強いトレンドがある)」で、かつ「+DIが-DIを上回っている」場合、それは勢いの強い「上昇トレンド」であると判断できます。
📉 2.ATR(平均真のレンジ)とは?
ATR(Average True Range)は、「一定期間の株価の平均的な変動幅(ボラティリティ)」を数値化した指標です。
- 役割: 株価が普段どのくらいの幅で動いているかを示すことで、リスク管理や損切り・利確(決済)ラインの設定に役立てます。
🏭 ATRの活用法
- 変動の活発さの判断: ATRが大きいほど、株価の変動が激しく、ボラティリティ(リスク)が高いことを示します。
- 損切りラインの設定: 「現在のATRの2倍」など、客観的なリスク基準として損切り幅を設定するのに使われます。
✅ ここがポイント!
ADXが「トレンドの勢い」を測るのに対し、ATRは「株価変動の大きさ(激しさ)」を測ります。
🧠 3.ADXとATRを活用した戦略
ADXとATRは、組み合わせて使うことで相場状況を深く把握できます。
| ADXの状況 | ATRの状況 | 総合的な相場判断 | 取るべき戦略 |
| 低水準(20以下) | 低水準 | 非常に膠着したレンジ相場。動き出すのを待つか、短期的な逆張り。 | |
| 高水準(30以上) | 高水準 | 勢いの強いトレンド相場。順張りで利益を追求する。 |
ADXで「今トレンドがあるか」を判断し、ATRで「そのトレンドに乗るリスク(変動幅)はどれくらいか」を判断することで、より論理的なトレードが可能になります。
📝 まとめ
ADXとATRは、トレンドの勢いと変動幅という、売買戦略を決定する上で不可欠な客観的なデータを提供してくれます。
| No.34の最重要ポイント | 簡潔な説明 |
| ADXとは | トレンドの有無と強さ(勢い)を測る指標。数値が高いほどトレンドが強い。 |
| +DIと-DI | ADXが示すトレンドの方向(上昇か下降か)を判断するために使う。 |
| ATRとは | 株価の平均的な変動幅(ボラティリティ)を測る指標。リスク管理に利用。 |
| 活用 | ADXで戦略(順張り/逆張り)を決め、ATRでリスク管理(損切り幅)を決める。 |
次回は、日本発のテクニカル指標であり、相場の時間的な概念を取り入れた「No.35 一目均衡表の基本:三役好転と雲の役割」について学び、さらに分析の幅を広げましょう!

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