🌳 ファンダメンタルズ分析(41〜60)
株の勉強 #48:【企業の稼ぐ力】EPS(一株当たり利益)の基本と成長性 (★★ 初心者〜中級)
皆さん、こんにちは! 株の勉強ブログ、第48回です。
前回までに、PERとPBRという株価の割安度を測る重要な指標を学びました。これらの指標の計算式を思い出してみると、分母には「EPS」や「BPS」という言葉がありましたね。
今回のテーマは、その一つ、「EPS(イーピーエス:Earnings Per Share、一株当たり利益)」です。これは、企業の「稼ぐ力」を判断し、PERの根拠となる非常に重要な指標です。
💡 1.EPS(一株当たり利益)とは?
EPSとは、「企業が稼いだ純利益を、発行済みの株式数で割ったもの」です。
- 役割: 企業が発行している株式1株あたり、どれだけの利益を生み出しているかを示します。
- 利益の源泉: EPSの計算には、PL(損益計算書)の最終的な儲けである当期純利益が使われます。
🏢 計算式
EPSは、以下の計算式で求められます。
EPS(円)= 当期純利益÷発行済株式総数
- 当期純利益: 企業が1年間で最終的に手元に残す利益。(No.43参照)
- 発行済株式総数: 市場に出回っている株の総数。
✅ 投資家にとっての意味!
EPSは、私たちが保有する「1株」という権利に対して、会社がどれだけの利益を生んでくれたかを示す、投資家目線での最も分かりやすい成績表です。
📉 2.EPSの「伸び」が株価を牽引する
PERの計算式は 株価 = PER×EPS と変形できます。つまり、株価はEPSにPERを掛けた値となります。
- 株価の伸びの源泉: 株価が上昇するには、以下の2つのパターンがあります。
- PERが上がる: 投資家がその企業に将来的な期待を高め、株価をより高いPER(倍率)で評価する。
- EPSが上がる: 企業の稼ぐ力(純利益)自体が伸びる。
長期的に見ると、EPSが伸び続ける企業こそが、株価を力強く牽引していく優良企業であると言えます。グロース株(成長株)投資(No.63で解説予定)の根幹は、このEPSの成長率にあります。
🏭 EPS成長率の重要性
- EPS成長率(%)= (今期EPS – 前期EPS)÷前期EPS×100
投資家は、このEPS成長率が高い企業に魅力を感じ、高いPERを付けてでも投資します。EPS成長率が前年比で10%以上、特に20%以上であれば、高い成長力がある企業として注目されます。
🧠 3.EPSの変動要因と注意点
EPSは、当期純利益と発行済株式総数という2つの要素で変動します。
1. 利益による変動(プラス要因)
- 純利益の増加: PLのトップライン(売上高)が増えたり、コストを削減したりすることで、純利益が増加し、EPSも増加します。これが最も健全なEPSの成長です。
2. 株式数による変動(隠れた変動要因)
- 自社株買い(プラス要因): 企業が市場に流通している自社の株を買い戻し、消却する行為です。これにより発行済株式総数が減るため、利益が変わらなくてもEPSは増加します。これは、株主還元の一つとしてポジティブに評価されます。
- 増資(マイナス要因): 企業が新株を発行して資金を調達する行為です。これにより発行済株式総数が増えるため、利益が変わらなくてもEPSは減少します。これは「一株あたりの利益の希薄化」と呼ばれ、一般的にはネガティブに捉えられます。
✅ チェックポイント!
EPSが増加しているとき、それが「利益の増加」によるものか、「自社株買いによる株式数の減少」によるものかを確認することが、EPS成長の「質」を見極める上で重要です。
📝 まとめ
EPSは、企業の「稼ぐ力」を投資家目線で示した、最も重要な収益性指標です。
| No.48の最重要ポイント | 簡潔な説明 |
| EPSの定義 | 1株あたりの当期純利益。企業の稼ぐ力と成長性を示す。 |
| 計算式 | 純利益÷発行済株式総数 |
| 株価との関係 | 長期的にはEPSの伸びが株価の上昇を牽引する。 |
| 注意点 | 自社株買いはEPSを押し上げるが、増資はEPSを希薄化(下げる)させる。 |
次回は、PBRの計算に不可欠な、「No.49 BPS(一株当たり純資産):企業の安定性」について学びましょう!

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