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株の勉強 #82:【景気の波を読む】景気循環(サイクル)の理解:株価と景気の関係 (★★★ 中級)
皆さん、こんにちは! 株の勉強ブログ、第82回です。
前回、マクロ経済学の基礎としてGDPや物価、失業率といった指標が経済全体の動きを示すことを学びました。しかし、経済は一直線に成長するわけではなく、好景気と不景気を繰り返す波があります。
今回のテーマは、この経済の波、「景気循環(けいきじゅんかん、Business Cycle)」です。景気のサイクルを理解することは、株式市場の大きな流れを予測し、どのタイミングでどの業種に投資すべきかを判断する上で非常に重要です。
💡 1.景気循環とは?
景気循環とは、経済活動(生産、消費、投資など)が拡大(好景気)と縮小(不景気)を周期的に繰り返す現象のことです。
- 特徴: 完全に規則的なわけではありませんが、経済は歴史的に見て「回復期 ⇒ 拡大期 ⇒ 後退期 ⇒ 悪化期」という4つの局面を繰り返しながら、長期的には成長していく傾向があります。
- 投資家への意味: 景気の局面によって、企業の業績や市場全体のセンチメント(心理)が大きく変わるため、株価もそれに連動して動く傾向があります。
✅ アナロジーで理解する!
景気循環は、季節の移り変わりに似ています。春(回復)が来て、夏(拡大)に盛り上がり、秋(後退)に落ち着き、冬(悪化)に冷え込む、というサイクルです。
📉 2.景気循環の4つの局面
景気循環は、一般的に以下の4つの局面に分けられます。
| 局面 | 経済の状況 | 金利・物価 | 企業業績 |
| ① 回復期 | 不況の底を打ち、生産や消費が上向き始める。失業率はまだ高い。 | 低位安定 | 改善し始める |
| ② 拡大期 | 経済活動が活発化し、設備投資や個人消費が加速。雇用も改善する。 | 上昇し始める | 大幅に増加 |
| ③ 後退期 | 景気のピークを過ぎ、成長が鈍化し始める。在庫が増加し、物価上昇が続く。 | 高止まり | 伸びが鈍化 |
| ④ 悪化期 | 経済活動が縮小し、企業業績が悪化。失業率が上昇し、デフレ懸念も出る。 | 低下し始める | 減少 |
🧠 3.景気循環と株価の関係:「株価は景気の先行指標」
景気循環と株価には密接な関係がありますが、重要なのは「株価は景気に先行して動く」という点です。
- 先行性: 株式市場は、将来の景気(半年〜1年先)を予測して動きます。そのため、実際の景気が良くなる前に株価は上昇を始め(回復期)、景気がピークを迎える前に株価は下落を始める(後退期)傾向があります。
🏢 景気サイクルと業種(セクターローテーション)
景気の局面によって、有利になる業種(セクター)が変化する傾向があります。これを「セクターローテーション」(No.68参照)と呼びます。
- 回復期: 金融緩和などを背景に、まず金融株や、景気回復期待から素材・エネルギー株が買われやすい。
- 拡大期: 設備投資が増えるため資本財(機械など)、個人消費が活発になるため一般消費財(自動車、小売など)が買われやすい。
- 後退期: 景気減速懸念から、景気の影響を受けにくい生活必需品(食品、医薬品)やヘルスケア株といったディフェンシブ銘柄が選好されやすい。
- 悪化期: 金利低下期待から公益事業(電力・ガス)や、再び金融株への注目が集まる。
✅ 投資判断への活用!
現在の景気局面を把握し、次に有利になるであろう業種を先回りして投資することで、市場平均を上回るリターンを目指します。
📝 まとめ
景気循環の理解は、株式市場の大きなうねりを捉え、セクターローテーション戦略を実行するための基礎となります。
| No.82の最重要ポイント | 簡潔な説明 |
| 景気循環 | 経済が好況と不況を周期的に繰り返す現象。「回復→拡大→後退→悪化」の4局面。 |
| 株価との関係 | 株価は景気に先行して動く。景気が良くなる前に上昇し、ピーク前に下落し始める傾向。 |
| セクターローテーション | 景気の局面によって有利になる業種(セクター)が循環する。これを予測して投資戦略に活かす。 |
| 活用 | 現在の景気局面を判断し、次に来る局面で有利な業種を分析する。 |
次回は、景気循環に大きな影響を与える「No.83 金利の決定要因と株価への影響」について、さらに詳しく学びましょう!

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